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若者新人議員の二年間

  • 原田竜馬
  • 7月1日
  • 読了時間: 8分

皆さん、こんにちは! 先日、東京都議会議員選挙が終了しましたが、すぐに参議院議員選挙が始まるという、12年に1度の選挙イヤーに選挙のことばかりをしている6・7月になっておりますが、議員としての仕事も着々としなければなりません・・・!

そんな中で、頑張ろう日本国民協議会さんの機関紙に先日、寄稿させていただきました。

議員としての任期の折り返しを迎えまして、前半2年間の振り返りと後半2年間の展望を簡単にではありますが、書かせていただきました!

是非ともご笑覧下さい!

2023年初登庁時
2023年初登庁時


●新人議員、任期の折り返しを迎え

2023年4月の世田谷区議会議員選挙で当選してから、あっという間に2年が経過し、4年の任期の折り返しを迎えました。議員になってから本当に時の流れの速さを感じています。

現在28歳の私は、世田谷区議会では最年少の議員であり、政治家全体の平均年齢と比べても、若い部類に入ります。政治の世界において「若さ」はしばしば注目され、期待を寄せられる要素でもあります。そのため、議員としての活動が上手くいかない時には、「若から、まだまだこれから!」と励ましの言葉をいただくこともあります。

しかし、新人議員であれ、複数回当選している議員であれ、一人の議員としての一議席の重みは等しく、区民から見ればその役割と責任に本質的な違いはないと思っています。

最初からすべてがうまくいくわけではないと頭では理解していても、「本当に職責を全うできているのだろうか」と考えてしますのが、2年目を終えた今の率直な気持ちです。

それでも、「世田谷区議会議員・原田竜馬」として、区民の暮らしに関わる責任ある仕事に携わってきたこの2年間は、かけがえのない経験となりました。30歳を目前に控え、このような執筆の機会をいただいたことで、自身を振り返る良いタイミングになったと感じています。執筆のご依頼をいただいたこと、心より感謝申し上げます。


●世田谷区子どもの権利条例への改正

この2年間、特に力を入れて議論してきたテーマの一つが「世田谷区子どもの権利条例」です。

私は選挙前から、子ども・若者政策の充実を強く訴えてきました。子どもや若者が選びたい選択肢が、運にも似たような理由で選べないことがないような社会を作りたい、子どもや若者が生きたいと思う社会を作れずして世田谷区、日本という国に活気を取り戻すことができないと考えるためです。

そうした思いを持って当選した私が直後に所属をした子ども・若者施策推進特別委員会はじめ、議会全体でも大きな議論になったのが世田谷区子ども条例の世田谷区子どもの「権利」条例への改正でした。

改正にあたっては、主役である子どもが、条例を自分ごととして受けとめ、実際に活かすことができるよう、条例の前文や目標、明記する子どもの権利の内容について、子ども条例検討プロジェクトに参加した子どもたちが検討した意見を反映するなど、様々なタイミングで子どもや若者から意見を聴取した上で改正されました。

過去、世田谷区子ども条例が制定された際には、「子どもの権利」に対しての理解がまだ進まず、条例名にも条文にも権利が明記されず、条例が制定された経緯もあったことから、今回は他会派によって条例の内容や議論を後退させてはならないと、委員会や本会議の質問を通じて議論をしてきました。結果として、条例が目指す社会を実現することができれば、子ども達にとっても胸を張れる条例の内容になったと思っています。

そして、条例改正とあわせて、様々な新規事業もスタートします。そのうちの一つが、私が議会で提案した「子ども・若者議会」と同趣旨となる「ユースカウンシル事業」です。区の施策に若者の声を反映したり、地域や区政に対する課題について区に提言をしたりと声を実際に形にしていく事業になります。

世田谷区では、子どもの権利を具体的に保障していく新たなスタートラインに立ったと思っています。本来であれば、2年ごとに委員会の所属が変わるのが通例ですが、会派の理解もあり後半2年間も引き続き同委員会の委員を務めることになりました。条例が理念条例ではなく実効性のある条例として、子どもの権利が当たり前に保障される世田谷を実現するために今後も責任を持って取組んでいきたいと考えています。


●立憲民主党の議員として

世田谷区議会議員としての仕事とともに、党所属議員としてもこの2年間、様々な経験をさせてもらいました。その一つが「りっけんユース」という、いわゆる学生部(社会人も加わっている)の活動です。学生を含めた若者が政治を体感できる現場を築き、若者の考えを実際の政策プロセスへ反映させていくための組織です。現在は120名以上が加入し、国会議員と地方議員合わせて9名がコーディネーターとして携わっています。あくまで、関わる議員は「コーディネーター」であり、ユースメンバー自らが企画を立案し、運営する主体的な活動を支える役目であることは強調しておきたいと思います。

私自身、学生時代に若者の投票率向上、若者の声を政治の世界に届けるといった活動をしていたので大変嬉しい経験となっています。この活動を通じて、多くの国会議員や党職員と関わることができ、人材不足といわれる我が党ですが、若手の優秀な議員がいることを知り、交流する機会にもなりました。

また、先述した組織の運営方針や、ユースが党に対して行った政策提言の内容が実際に国会で取り上げられるなど、若者からの支持率こそ低いものの、若者の声や政治に対する熱意を本当に大切にしていると感じています。

若者こそが社会の変革者であれるような政治文化や政党作りができるよう頑張りたいと思います。


●少しだけプライベートな葛藤を

ほんの少しだけ、議員としての葛藤を。若くして議員になった私

私は、世田谷区は下北沢が地元であり地元密着(できてるかはさておき・・・)で活動しています。土日祝日は地元のイベントのお手伝いやボランティア活動、様々な地域団体の事務的なお仕事も行っていますが、小さな催しでも顔を出すことや手伝うことが求められることが多くあります。

やはり「地元に顔を出す議員」が「良い議員」だというのが、今の日本では一つ指標になっていると感じます。確かに、地元に顔を出して地域の方と交流することで地域事情を詳しく教えていただいたり、区政課題を発見したりすることができます。しかし、体は一つしかなく時間も有限です。地元の催事と私が取り組みたいと思う政策の勉強会等が重なった時、どちらを取るのかといった対応の難しさがあります。また、区民から負託を受けて議員として全力で働いているつもりではありますが、やはりプライベートも必要だと思っています。私の姿を見て「政治家は大変そう、辛そうだから嫌だ」と下の世代に思わせてはいけないという気持ちもあります。民間のワークライフバランスには程遠いレベルかもしれませんが、議員もプライベートを大切にすべきだと考えています。

しかし、本当にありがたいことに地域から、多方面からお声がけいただくので、一つの体では対処をしきれない状況も少なくありません。平易な言葉でいえばスケジュール管理の問題なのかもしれませんが、もっと議員として上手く仕事をするにはどうしたらいいのか、何を取捨選択すればいいのか――正直、悩みながら日々葛藤をしています。



●課題と展望

少しだけ葛藤を吐露させていただきましたが、最後に世田谷区議会の課題と展望についてです。

令和2年の国勢調査では、世田谷区は人口94万人に達しました。他の地域の議員と話すと「世田谷はすごいよね」と言われることが多くあります。先述した子どもの権利条例や様々な取組みは先進的な事例として挙げられ、視察にお越しいただくことも多々あります。しかし「議会」という観点で見ると、決して先進的ではなく、むしろ平均的、あるいは平均以下の取組みしかできていないのではないかと感じています。

早稲田大学デモクラシー創造研究所「地域経営のための議会改革度調査2024」では、約1500の自治体が調査に回答していますが、総合ランキングで上位300位に世田谷区は入っていませんでした。

そうしたタイミングで、世田谷区では私達の会派が兼ねてより設置を求めていた「議会制度研究会」が発足しました。私は一期生ですが、会派を代表して研究会の委員に抜擢いただきました。まだまだ開かれていない世田谷区議会を、より区民に開かれた区議会に変えていくため、政治に対して不信感がはびこる我が国において、足元から政治に対する信頼を高めていくことができるような議会改革の議論を行っていきたいと思っています。

そして、私自身の課題としては、とにかく「伝えること、発信」が全然できていません。区政は、区民の生活に密着した身近な事象を扱っており、無関係でいることができないのにも関わらず、多くの区民にとって関心の外にあるのが現状です。区政を更に身近に感じてもらうことや、「私が議員でいるから、政治に興味を持った」、「身の回りの社会について考えるようになった」、「投票に行くようになった」という人を更に増やしていく必要があると考えています。

そのための取組みの一つとして地元、下北沢が若者の街であることもあり「Ryoma’s bar night」と題し、下北沢のバーでバーテンダーとして立ち、お客さんと交流する取組みを始めました。クローズドなイベントとして事前申込み制にすることも考えましたが、間口を広げ、たまたま来店いただいたお客さんとも話ができる環境とすることで、政治家や政治を身近に感じてもらうきっかけとしたく、誰でも来店可能なオープンな取組みとして不定期開催ですが始めてみました。

お酒の場で、「野球・政治・宗教の話はするな」と言いますが、それは話し方の問題であり、そうした場でも国民が忌避感を示さずに語れるような文化を作っていかなければならないと思っています。

国会ではしばしば「国民的議論」という言葉を用いますが、低投票率に象徴される政治に対する無関心や飽き飽きとした国民感情の間に、国民的議論は存在していないと感じます。一部のパブリックコメントや意見交換会といったものではなく、足元から日常的に国民的議論が行われ、生きたいと思う社会像を国民一人一人が示したいと思えるような政治を実現したいと考えています。

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