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中道改革連合によるベーシックサービスの提示

  • 執筆者の写真: 原田竜馬
    原田竜馬
  • 2 日前
  • 読了時間: 5分


今回の選挙は、「中道改革連合」という新たな政党、政治的枠組みのもとで選挙に挑むことになります。私自身は、まだ立憲民主党に所属をしていますが、立憲民主党に所属する一人の議員として、この動きは正直に複雑な思いというのが率直なところです。一方、日本社会が直面している構造的課題に対して、新たな選択肢が示されており、それが実現となればこの結集に大きな意義があったのではないかと考えています。


今回の衆議院選挙は、「消費税の減税」が大きな争点として挙げられ、各党が様々な方法による減税策を提示しています。昨今の物価高への対応が急務であることは言うまでもありません。物価高により多くの方々が日々の生活に不安や苦しさを感じています。しかし、私が問いかけたいのは本当に減税だけで、今感じている生活不安や将来不安を解消し、日本の明日が今日よりも良くなると思えるようになるのか、ということです。


私は、結集に懐疑的であった時間もありましたが、結集に期待をしたいと思った理由もありました。それは、両党がかねてから掲げてきた「ベーシックサービス」の拡充を新党でも掲げているからです。ベーシックサービスの拡充というのは、政策であり思想であり、並列する政策とは一線を画す、新たな社会像の提示であると思っています。

ベーシックサービスとは、教育や保育、医療、介護、障がい者福祉など、生きていくうえで不可欠なサービスへのアクセスを、所得や資産にかかわらず保障するという政策です。


過去の日本は、一億総中流社会と呼ばれ多くの国民が中流階級であり、平等な社会と言われてきました。しかしその後、多くの国民が貧しくなっていったのが平成の時代でした。その時代の中盤に安倍首相が誕生し、「この道しかない」というアベノミクスによるトリクルダウンで国民は豊かになるという幻想を抱かされました。

アベノミクスの全てを否定するわけではありませんが、賃金は伸び悩み、格差は広がり、非正規雇用労働者の割合も高止まり、結果として今の社会が残されています。そんなアベノミクスを継承する形でサナエノミクスが打ち出されましたが、現状としては国債利回りの急騰等、負の側面が大きくなっているのではないでしょうか。


ここで言いたいのは、アベノミクスにせよサナエノミクスにせよ、経済を成長させること、所得を増やすことで個々人が安心できる社会を目指すというモデルそのものに問題があるのではないかということです。成長を起点に安心を生み出そうとする発想は、少子高齢化の進展、潜在成長率が1%を下回る成熟した経済の現在において、本当に機能をするのでしょうか。もちろん経済成長は否定しないですし、諦めてはいけません。

しかし、成長だけに安心を委ねる社会は、もはや持続可能な社会とはいえないのではないでしょうか。

だからこそ、アベノミクスやサナエノミクスのように経済成長を前提とし、個人の所得で安心を買う社会から、財政によりお互いに支え合い安心を分かち合う社会を作るのだ、という社会像の提示と政策論争こそが選挙の対立軸となるのではないかと思っています。

ベーシックサービスの拡充で、安心を個人が買うものではなく、社会全体で保障するものへと再設計する。自己責任が求められる社会で不運にも弱者となってしまったそんな「弱者を助ける社会」から「弱者を生まない社会」への転換です。


しかし、そこで発生するのはやはり「財政」に関する議論です。

中道改革連合は、食料品にかかる消費税率を0%とし、減税分は基金の取り崩しとジャパンファンドによる運用で賄うとしています。消費税については、過去に民主党が政権交代をした時、事業仕分けによる歳出改革で財源を賄うと説明をしていましたが、予想していた成果を得られませんでした。

その失敗は政権を下野することにも繋がったわけですが、その大きな失敗から反省し学び得た教訓によって導かれた、積み上げすぎた基金の取り崩しという政策。そして、長年にわたり政権与党として政権運営に携わりながら研究してきた公明党による政府系ファンドの創設は、一定の妥当性があると感じています。

しかし、中道改革連合が掲げるベーシックサービスを真に拡充していくのであれば、税に関する議論は、今一度発生することでしょう。

だからこそ、高市首相による大義無き解散に大いなる意味を持たせることができるとするのであれば、それは単に目の前の減税をどのようにするかという議論ではなく、財政を通じて「安心のあり方をどのように再設計するのか」という問いを、社会全体で議論し方向付けていくことなのではないかと思っています。


私は12月に「ベーシックサービス推進地方議員連盟」を発起人の一人として立ち上げました。一番初めに発足人と話をしたのは、その数か月前にもなるので、まさか解散総選挙もあるとは思っていなかったですし、立憲民主党と公明党による結集の話も全く聞いていませんでした。

しかし、発足をしてみれば両党をはじめ無所属や他党から多くの議員が参加をしていただけることになりました。これまで出会うことのなかった議員らによって、地方からでもベーシックサービスを軸とした共通項による土壌の醸成ができるのではないかと感じていましたが、そんな矢先に選挙なってしまいました。

ですので、本当はこのベーシックサービスという党の土台ともなる政策を前面に打ち出して欲しいという気持ちがあります。しかし、現状では残念ながら伝えきれていないと思っています。

ただ、少なくともこの看板を掲げている以上は、私は立候補をしているわけではありませんが、全力でこの選挙戦を戦いたいと思っています。

先行きが不透明で、多くの国民が明日は今日よりも良くなると思っていない現実に、目先の物価高対策だけではなく生活不安や将来不安を構造的に解消していけるのだという社会像の提示を。安心して暮らせるからこそ挑戦できる社会へ。今のままでは日本はだめだと思う国民の「分断」と「対立」をエネルギーとする政治から、税による分かち合い、協調と包摂の政治を実現するために。



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